2007年05月18日

135.ゼロ災運動の原点

こんにちは。No41.ジュピター隊員です。

今回は、ゼロ災運動についてある業界新聞に投稿した文章を挙げます。

 企業にとって人材は、財産であり、その出発点は「一人ひとりかけがえのない人である」という人間尊重の理念である。

 人は全て家族との繋がりを持ち、職場や地域社会の中でお互いが関係し、支えあって生きており、その人の存在や人生は非常にかけがえのないものである。

 現在、社会では労働災害、過労死が問題視されているが、これに対する予防・防止の観点から捉えれば、誰一人ケガをさせず、病気にさせず、大切な人財を守る。即ち、「ゼロ災害・ゼロ疾病」という考え方から「ゼロ災運動」という動きに結びついてくる。

 誰一人ケガをしてよい人、死んでも仕方のない人はいない。職場の誰一人絶対ケガをさせない。その為に全員参加で安全と健康を先取りしてゆこうというのがゼロ災運動の原点である。

 ゼロ災運動は理念(心)があり、手法があり、初めて実践に繋がるが、単に手法のみ理解して、その心を知ろうとしない者には、労働災害を未然に防ぐ事は出来ない。労働災害をなくす為には、「一人ひとりがかけがえのない人である」という人間尊重の理念を重く大切に受け止め、ゼロ災運動に対する理解を深め、実践し継続していく事が重要となる。

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2006年10月31日

037.過労死予防に労災保険

1.はじめに
最近、働きすぎやストレスによる過労死が増えてきていますが、過労死を未然に防ぐため、健康診断の再検診や医師による指導に対する「二次健康診断等給付」が労災保険にはあります。

2.会社に義務付けられている健康診断とは
会社は、従業員の健康管理について責任を負っており、労働安全衛生法で義務付けられている健康診断には、大きく分けて次の2つがあります。
①一般健康診断
②特殊健康診断
前者は、仕事の種類にかかわりなく全ての会社が従業員の雇入れ時および雇入れ後の定期に行わなければならないものです。後者は、一定の有害業務を行う会社だけが行えばよいもので、対象となる有害業務は安衛法施行令で掲げられています。
健康診断を実施するにあたって、いくつか注意する点がありますが、ここでは全ての業種に実施義務のある「一般健康診断」について説明します。

3.従業員の健康診断受診義務
健康を管理する責任は、会社だけでなく従業員にも当然あります。労働安全衛生法では、従業員側にも健康診断を受診することを義務付けていますが、会社が指定した医師の診断を希望しない場合は、自ら選択した医師の診断を受け、その結果を証明する書面を提出することができるようになっています。但し、この場合はその費用を会社において負担すべき義務はありません。
また、従業員がプライバシーの保護を理由に健康診断を拒否する場合が考えられますが、法的には会社に従業員の健康管理責任、従業員に受診義務があることを定めていますので、会社に業務命令としての受診命令権限があると考えられています。実際に、健康診断の受診拒否による懲戒処分は有効という判例も出されています。

4.労災で給付する意図
「脳血管疾患」や「虚血性心疾患」は、日常的な長時間労働や職場でのストレスが引き金となって一気に発病したり、症状が悪化するケースが増えてきています。調査によると、過労死は今後も大幅に増えるおそれがあるため、厚生労働省は発病前の予防に労災保険を適用することに踏み切った次第で、仕事によるケガや病気の補償に適用する労災保険で、予防策として給付することは初めてのことです。

5.「二次健康診断等給付」の詳細
この給付は、健康診断の再検診費用(本人負担分)が無料化されるもので、全額給付の対象となるのは、健康診断で肥満、血圧、血糖、血中脂質の4項目についていずれも「再検診の必要がある」とされた場合です。脳・心臓疾患を発症する危険性は、4項目の異常がそろうと健康な人の35倍になるとの学術研究があり、「死の四重奏」として知られています。
無料の再検診は、全国に2万7千ある労災指定病院が実施します。健康診断の結果に基づき、超音波で血管や心臓を調べるエコー検査や血中脂質検査などを行い、医療費は指定病院が国に請求することになります。

6.過労死対策を健康診断に頼ってよいのか
「二次健康診断等給付」は、過労死を予防しようとする前向きな対策といえますが、給付の対象となる血圧や血糖値の異常は、典型的な生活習慣病です。つまり、精密検査で病気を診断するのではなく、生活習慣を改善することで初めて改善効果が上がるものです。生活習慣の改善には、会社の長時間労働対策や疲労対策の強化、従業員自身の改善への動機が不可欠です。
有効な過労死対策は、会社に安全配慮義務の認識を、従業員に自己保健義務への意識を向上させる以外にはないといえるでしょう。

投稿者 somu99 | コメント (0) | トラックバック | 【労働災害

036.運転中の携帯電話

1.違反行為になる運転中の携帯電話
平成11年から、携帯電話などを自動車の運転中に使用することが禁止されています。(道交法第71条第1項第5号の5)
具体的な違反行為は以下の通りです。
①自動車を運転中に携帯電話を通話のために使用すること
②自動車を運転中に無線機を通話のために使用すること
③自動車を運転中にカーナビやカーテレビなどを注視する(見続ける)こと
但し、携帯電話や無線機を使用する場合でも、
①車が停止中である
②相手の声が車内に取り付けられているスピーカーから聞こえる、いわゆるハンズフリー装置(備付け型、イヤホン型)を使用して送受信を行う
といった場合は違反にはなりません。
このほか、傷病者の救護や公共の安全の維持のため自動車の走行中に緊急やむを得ずに行うものについても違反にはなりません。
従って、会社は、自社の運転手に携帯電話を使用させる場合には、ハンズフリー装置を活用させるか、あるいは運転中には携帯電話を使用させないなどの措置を講じる必要があります。

2.違反行為に対する罰則
同条に違反し「道路における交通の危機を生じさせた場合」には、3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金が課せられることになります。携帯電話などで通話中に交通事故を起こした場合や、極端な蛇行運転をした場合、対向車の通行妨害、歩行者の安全を阻害した場合などに罰則が適用されます。
このほか、政令による反則金制度では、違反に対する基礎点数は2点、反則金は大型車1万2000円、普通車9000円、バイク7000円となっています。

3.労災給付への影響
従業員が通勤途中や仕事中に、携帯電話を手に持って自動車を運転中に事故を起こした場合は、道路に危険を生じさせたとされ、労災給付が減額される可能性があります。
労災保険法では、「従業員が故意の犯罪行為もしくは重大な過失により、または正当な理由がなく療養に関する指示に従わないことにより、負傷、疾病、障害もしくは死亡もしくはこれらの原因となった事故を生じさせ、または負傷、疾病もしくは障害の程度を増進させ、もしくはその回復を妨げたときは、政府は、保険給付の全部または一部を行わないことができる」として、従業員に故意の犯罪行為または重大な過失がある場合には、支給制限を行う旨の規定が設けられています。
ここでいう「故意の犯罪行為」とは、事故の発生を意図した故意はないが、その原因となる犯罪行為が故意によるものをいうとされています。
これら故意の犯罪行為または重大な過失に当るものとしては、事故発生の直接の原因となった行為が、法令(労基法、道路交通法など)上の危害防止に関する規定で罰則の付されているものに違反すると認められる場合があるとされています。(昭和40.7.31基発第902号)
道路交通法では、自動車などを運転中に携帯電話などを通話のために手に持って使用することやカーナビゲーション装置などに表示された画像を注視することは違反になりますが、このこと自体には罰則は付されていません。
しかし、前述のように、違反したことによって道路における交通の危険を生じさせた場合には、3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金が付されています。
従って、自動車運転中に携帯電話を使用し、事故を起こした場合には、支給制限の対象となると考えられます。

4.事故防止対策
厚生労働省では、事故防止対策として以下の通りまとめていますので、参考にして下さい。
① 自動車運転中は携帯電話の発信を行わせず、安全な場所に停車してから行わせること
② 自動車運転者と会社との携帯電話による連絡は、自動車運転者からを原則とすること
③ 自動車運転中は、携帯電話の電源を切るなどして、受信させないこと。または留守番電話
サービス、応答保留機能等を利用させることが望ましいこと
④ ①~③について従業員に教育すること
⑤ 自動車運転業務中の携帯電話の安全な使用について、必要に応じ、取引先の理解を求めること

投稿者 somu99 | コメント (0) | トラックバック | 【労働災害