2006年11月09日

057.賃金システム再考

■現在の賃金事情                    
高度経済成長期、バブル経済とその崩壊を経て会社は長引く平成不況で喘いでいます。そのため、現状に沿った賃金システムを導入する変革期に直面しています。
20世紀までは「ガンバレ!」と激を飛し、社員のやる気を引き出して業績を伸ばしていましたが、現在の不況下でその方法が業績を伸ばすとは考えられません。しかし、業績が悪化しても、社員の賃金を見直すことは難しく、勤続年数に応じて賃金も年々増加していくケースがほとんどであり、長く勤続し辛抱すれば給料が上がっていくように考える社員が増加してしまいます。また、現代の経済状況が業績悪化の原因と考える社員が増加し、モチベーションの低下を引き起こす可能性もあります。
そのため、会社の競争力も低下し業績はさらに悪化し、人件費コストも増加するという二重苦を迎えていきかねません。そこで、この社会状況を十分によく考えた賃金体系の見直しが求められています。


■現在の賃金システムは                    
高度成長期の時代には勤続年数に応じて昇給する「年功序列制」賃金システムが多くの会社で使われていました。しかし、現在の経済状況では、成果に応じて賃金を決定する「成果主義」賃金システムが注目されています。導入する目的は、社員の業績に応じて賃金を支払い、社員間で競争力を引き出すためとその業績及び能力に応じた賃金を支払うためです。
しかし、「成果主義」賃金システムに変えていこうとしてもなかなかスムーズにはいきません。成果制の導入により社員の生活の安定が脅かされたり、単に数値目標だけ追うことにより社内に協力するという意識が欠如したり、長期間による能力開発がおろそかになるなどの弊害です。
そして、そのような弊害を意識するあまり、成果主義への賃金制度をあきらめている会社が多いのも事実です。

■賃金システムの重要点                    
現在の経済状況の中で、「年功序列制」賃金システムの見直しは、会社にとって大きな課題となっています。年齢・勤続年数による安易な昇給を廃止し、社員の生活を保障した上で、やる気にさせる真の意味での実力主義賃金制度の導入が大きな課題です。高いテーマを掲げ,やる気のある人にチャンスを常に与え、目標が達成できれば高い報酬で会社は評価し、社員にやる気を与えることが真の意味での実力主義賃金制度かもしれませんが、これだけしか行わないと、で協調性のないギスギスした会社になり、会社への求心力は衰えてしまいます。
そこで、何のために仕事をしているかを考える機会を作ることと、成果主義賃金制度を支援する制度として、能力開発と社員の安心感づくりのための福利厚生に力を入れていく必要があります。


■今後の課題              
賃金体系の見直しに会社が求めるものは「人材の競争力を高めること」です。しかし、単に賃金に差をつけることを目的とした成果主義賃金制度は、大事な人材を潰すことにもなりかねません。社員に賃金査定基準を明確に示さなければ、会社が人件費削減のためだけに賃金体系の見直しを行ったと感じられてしまうでしょう。
そのため、新たな賃金制度を導入する前に、社員一人一人の人事評価をどのように行うかを決める必要があります。賃金の上げ下げの仕組みを考えるより、その会社にとって最適な評価制度は何なのかを先に考えることが大切です。
社員は昇給以上に会社からの評価を気にしています。社員は会社が評価してくれれば、「更にがんばろう」「能力を向上させて更にステップアップしたい」という考えが起き、会社内に自然と競争が起きます。
また、常に競争力を維持するために、人事評価には「今までの実績」で判断をする達成度評価と「将来への期待」で判断をする投資評価が必要となります。この2つの評価基準を明確にし、それを賃金体系に反映させることが、競争力を高めるための第一歩となります。
現在の評価制度を見直した後に、賃金システムの構築を行えば、競争力をより高める賃金システムを作れるのではないのでしょうか。

投稿者 somu99 | コメント (0) | トラックバック | 【給与

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