2006年11月20日
086.経営者意識を持たせるためには
■利益とは何か、なぜ必要なのか
「利益」の機能には、以下のように大きく4つあります。
①評価の機能-会社の成果の判定の基準であり、外部や内部からその会社の力や事業の妥当性を教えるものである。
②投資の機能-金がないと、投資はできない。金があり攻めることができるからこそ、組織も良い状態でいられる。設備も教育もできないなら、それは悪循環への入り口である。
③保険の機能-事業には、良いときも悪いときもある。悪いときが1年ほど続いたからといってつぶれるような会社は、無責任で駄目な会社である。
④参加費の機能-会社というものは、存在するだけで金がかかる。また、会社は国や地域に対しての役割を果たす必要があり、利益は地域サービスの原資となる。
■経営者意識を持たせるためには
「社員や管理者には、経営者意識を持ってほしい」と希望する社長は多くいます。
そのために、まず会社は以下のことをする必要があります。
①経営状況(決算書、キャッシュフロー)をオープンにする。
②社員が経営状況を理解できるように教育する。
自社の売上は言えても、粗利が何%必要で、自分たちの人件費がいくらで、損益分岐点となる売上がいくらであるかは解からない社員が多くいます。嘘のような話ですが「売上が5%減ると利益も5%減る」と思っている幹部さえいます。
このような社員に対し、「経営者意識を持て」ということは、無理があります。
社員には経営状況をオープンにし、それを理解できるよう教育をする必要があります。
■社長の給与とは何か
では、それをしないのはなぜか。
その理由の一つに、「社長の給与と社員の給与では差が大きくあり、後ろめたさや社員に変な勘ぐりが起きる」と考えることがあります。
では、社長の給与とは何か考えて見ましょう。これは、次のような社長の役割を考えてみればよく理解できます。
①最高責任者の役割-何かあれば、責任をとれるのは社長だけ。事業のリスクや社員のリスクを全部背負って、逃げることは選択できない。
②最高のプレイヤーの役割-社長が社内で一番売上や成果を上げている会社は珍しくない。
③投資家の役割-創業時に自分の人生を賭け、一時期は無給で働いたのは社長である。そして、戦略的な別会社を新設する際にも、社長が出資する。また、社長が担保となる。
④保険の役割-赤字が続き資金繰りが苦しくなると、最初に手をつけるのは社長の資産である。したがって、社長は給与の全部を使うことはできない。もしものために、その3割ほどは資産として蓄えておく必要がある。
これらの理由から考えると、社長の給与は社員の3倍以上は必要であり、それでこそ社長の義務が果たせるというものです。
これらの社長の給与の意味、すなわちその機能を見てみると、先の「利益とは何か」と似たようなものになることが良くわかります。
事実、『社長の給与=利益』であり、利益が出なくなると、最初に減額するのは社長の給与となります。
■夢の共有、現実の共有
社員に経営者意識を持ってほしい。
そのためには、数字に関してはオープンにしようではありませんか。そして、数字という現実を使って社員を教育し、議論を進めることをしましょう。
議論の中で問題を共有することが全社一体の会社作りを進めます。問題の捉え方の違いや危機意識に差があるようなら、同じテーブルで話し合うことはできません。
経営者意識を持たせることとは、その責任も一緒に持たせることであると言えます。
社員教育には夢の共有も必要ですが、現実の共有も必要です。そして、夢と現実のギャップを埋めるために、共に努力することです。
〔ワイズサービス代表 矢田 祐二〕
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